関連法令規則

PTSの定義

PTSとは「Proprietary Trading System」の略で、私設取引システムです。金融商品取引法(金商法)第2条第8項第10号に従い、「有価証券の売買又はその媒介、取次ぎ若しくは代理であって、電子情報処理組織を使用して、同時に多数の者を一方の当事者又は各当事者として次に掲げる売買価格の決定方法*又はこれに類似する方法により行うもの」とされています。

*競売買(オークション方式)、市場価格参照方式、顧客注文対当方式等
清算・決済

上場株式等のPTSは、全ての取引は日本証券クリアリング機構、証券保管振替機構を通じて、清算・決済されます:

  • 清算は、日本証券クリアリング機構(JSCC)を通じて行われます。
  • 決済は、証券保管振替機構(JASDEC)を通じて行われます。
気配及び売買価格の公表

上場株式等PTSは、全ての取引は、日本証券業協会(JSDA)の規則に従い、PTSにおける気配価格、約定価格を「閲覧に供する状態」*においております。

*「PTS Information Network」による公表をいいます。
空売り規制

上場株式等PTSは、金融商品取引所における空売り価格規制と同様に空売り規制の適用を受けます。具体的には、以下の空売りに関する規制がジャパンネクストPTSにおいて適用されます。

規制の内容 ジャパンネクストPTSの適用
ネイキッドショートセル
空売りの決済措置の手当ての無い空売りの禁止
有り
金融商品取引所における空売りと同様に法令上の適用除外取引を除き、ネイキッドショートセルはできません。
空売り明示義務
空売り注文に関する明示義務
有り
空売り注文に関しましては、空売り価格規制の適用を受ける空売り、空売り価格規制の適用除外となる空売りの別にご注文に際して明示して頂く必要があります。
空売り価格規制
トリガー方式(基準価格からの10%以上の下落の場合に空売り価格規制の適用)により、直前の約定価格を下回る価格等での空売りの禁止
有り
デイタイム・セッション、ナイトタイム・セッションの別に各々の基準価格から10%以上下落した銘柄は空売り価格規制が適用されます。また、ナイトタイム・セッションで10%以上下落した銘柄は、デイタイム・セッションでも空売り価格規制の適用を受けます。

上記PTSで10%以上下落した銘柄とは別に、主たる金融商品取引所で10%以上下落した銘柄は、同営業日のジャパンネクストPTS(ナイトタイム・セッション)と翌営業日のジャパンネクストPTS(デイタイム・セッション)において空売り価格規制の適用を受けます。

ジャパンネクストPTSにおいて空売り価格規制トリガー方式に合致した銘柄の検索は、こちらに提示されています。
空売り残高の公表義務 有り
PTSにおける法令上定める所定の空売り残高は、主たる金融商品取引所の取引参加者等を通じて主たる金融商品取引所において公表する必要があります。
募集等の空売り規制
株式等の募集又は売出しの公表から価格決定までに行った空売りの決済を募集等の購入株式等で決済する行為の禁止
有り
金融商品取引所における空売りと同様にPTSにおける空売りも募集等の空売り規制の適用を受けます。
10%PTS上限ルール

上場株式等PTSの場合(かつ、競売買(オークション方式)以外の売買価格決定方式*の場合)は、金融庁「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」(以下、ガイドライン)Ⅳ-4-2-1の規定に従い、過去6ヶ月(一日平均売買金額)において、ジャパンネクストPTSの取扱比率が、特定の個別銘柄売買で20%以上、かつ、PTS全体の売買が国内の全取引所金融商品市場における株券及び新株予約権付社債券の全売買代金の10%以上となった場合には、金融商品取引市場開設 の免許取得を行うこととされています。

*ジャパンネクストPTSの売買価格決定方式は顧客注文対当方式であり、競売買方式(オークション方式)ではありません。また、競売買方式(オークション方式)の場合は、金商法の法令により、上記数値が、(個別銘柄)10%、(全体)1%を超えた場合は、金融商品取引市場開設 の免許取得を行うこととされています。
信用取引

2019年監督指針が改正され、同年8月26日を持ちましてジャパンネクストPTSでの信用取引の取扱いが可能となりました。

売買管理体制

当社は、ジャパンネクストPTSにおける取引の公正性及び透明性を高めるとともに、取引の安全と投資家の信頼を確保するために、「売買取引の停止または制限措置」及び「不公正取引に対する監視と未然防止」等の観点から、適切な売買管理を行うよう努めております。

売買取引の停止または制限措置

当社は、取引の安全と公正性を確保するために、又は売買リスクを管理する上で当社が必要と判断する事由が発生した場合には、ジャパンネクストPTSにおける売買取引を停止又は制限することができます。

①【デイタイム・セッション~ナイトタイム・セッションの一部の時間帯(8:20~17:30)】

主たる金融商品取引所又は日本証券業協会が個別銘柄について売買停止を行った場合の売買停止

対象銘柄が上場している主たる金融商品取引所が当該個別銘柄につき売買停止の措置を行った場合、又は日本証券業協会(以下、「協会」という)が取引所金融商品市場外の当該個別銘柄の売買停止を行った場合は、当該個別銘柄の売買停止を実施します。

また、当日の①の時間帯の当該個別銘柄の売買停止後の売買の再開は、当該金融商品取引所又は協会が売買の再開を行った場合は、当社PTSも売買の再開を行います(但し、当該個別銘柄に関して終日の売買停止の場合は、②の時間も継続して売買停止を行います。また、協会が主たる金融商品取引所とは別に独自に個別銘柄に関して売買停止を行った場合は、①、②の時間に係らず、協会の指定する時間は売買停止を行います)。

なお、主たる金融商品取引所のシステムの障害等に起因して個別銘柄(個別銘柄だけでなく当該金融商品取引所市場全体の取引の場合も含みます)の売買停止を行った場合は、当社の判断により売買停止を行わない場合があります。

②【ナイトタイム・セッションの上記①以外の時間帯(17:30~6:00)】

重要情報が生じた場合の当該銘柄にかかる売買停止

17時30分以降に、a)株式会社東京証券取引所の運営するTDnet(適時開示情報閲覧サービス)により発行体が適時開示を行った情報、b)主たる金融商品取引所が監理銘柄・整理銘柄に指定した情報、c)メディア等により報道又は公表された個別銘柄の情報、のなかで、当社が「重要情報」と判断する情報が公表された場合は、当該銘柄の売買停止を行います。

なお、夜間という時間帯を鑑み、重要情報の公表により売買停止を行った場合は、売買の再開は行いません。

「重要情報」の主な内容は、「有価証券の投資判断に重要な影響を与える会社の業務、その運営又は業績等に関する情報」として、次に掲げるような情報(例示)とします。

  • 合併等の組織再編行為、買収、公開買付け(TOB)
  • 第三者割当増資等のエクイティファイナンス
  • 破産、会社更生法手続き又は民事再生手続きの申立、解散
  • 金融商品取引所が監理銘柄、整理銘柄に指定した旨の情報 等
③ ①、②の時間帯に共通した売買停止等

デイタイム・セッション、ナイトタイム・セッションの時間帯(①、②の時間帯)にかかわらず、以下の事由が発生した場合、売買取引の全部または一部を停止し又は制限することがあります。また、当該事由により売買停止等を行った場合は、原則として、当該事象の解消が確認された場合は速やかに売買取引の再開又は制限の解除を行います。但し、当社として停止又は制限を継続した方が良いと判断する場合は、停止又は制限の措置を継続する場合があります。

  • 当社PTSの稼動に支障が生じた場合等において売買取引を継続するのが適当でないと当社が認める場合
  • 天災地変、政変、ストライキ、外貨事情の急変、外国為替市場の閉鎖等、不可抗力と認められる理由により、取引の注文及び約定の執行、金銭及び有価証券の授受等が遅延しまたは不能となった場合
  • その他取引の公正性確保のため当社が必要と認めた場合

なお、当社PTSにおける売買停止銘柄の情報については、取引参加証券会社に通知する他、情報ベンダー(㈱QUICK及びリフィニティブ・マーケッツ㈱)に配信するとともに、当社ウェブ上で開示しております。

不公正取引に対する監視

当社は、ジャパンネクストPTSにおける不公正取引を防止するため、当社売買管理部において取引の監視を行っています。

インサイダー取引、相場操縦取引及びその他の不公正取引や違法行為等を把握するため、ジャパンネクストPTSにおける株価や売買動向をリアルタイムに監視するとともに、事後的に諸々の情報やデータの詳細分析、調査及び審査を行っています。

売買審査の過程において、取引参加証券会社に対して取引内容の詳細及び、委託者に係る情報等の売買審査上必要な情報の提供をお願いする場合があります。当社における審査の結果、不公正取引等と判断した場合には、取引参加証券会社に注意喚起を行います。その後も改善が見られない場合は、通告を行った上で受注の制限又は停止を行うなどの措置を講じていきます。また、そのような不公正取引等と疑わしい取引に関する情報の詳細を証券取引等監視委員会や、証券取引所等の自主規制機関等に対して報告することもあります。

取引の切断について

ジャパンネクストPTSでは次のような場合に、取引参加者の接続を切断する権利があります。

  • 他の取引参加者に影響を与える、もしくはサービス低下につながる多量のトラフィックにより、システムを危機にさらした場合
  • 無許可で当社システム・インフラにアクセスしようとした場合
  • その他、ジャパンネクストPTSの運営を妨げる行為と判断した場合